かぶせもの(クラウン)とは

歯が虫歯や外傷などで大きく失われてしまった場合、金属などで修復します。その修復物の総称を歯科用語で、かぶせもの:クラウン(Crown)と言います。その目的は、機能面や審美面を補うためです。クラウンは、おおまかに分けて、2つに分類されます。

一部被覆冠

歯の一部分だけを修復するクラウン。
被覆する歯面の数により、前歯では「3/4冠(4分の3冠)」、奥歯では「4/5冠(5分の4冠)」とも言います。

歯医者さんによっては、「歯を削る量が少ないから」という理由で、この方法を好んで選ばれる先生もいらっしゃいますが、クラウンと歯面との接着が複雑になることで、二次的な虫歯(もう一度虫歯になってしまうこと)になりやすいため、当院ではほとんど提案していないのが現状です。

全部被覆冠

歯の全部(グルっと全周)を修復するクラウン。
いわゆる、「かぶせもの」と説明されるものです。
健康保険が適用される「保険診療」のクラウンや、保険で適用されない「自由診療」(いわゆる自費)のクラウンがあります。

健康保険が適用される治療法や材料はあらかじめ決められています。全部被覆冠では、歯の部位によって、さらに保険で適用となる材質や種類が異なります。

保険適応のかぶせもの

前歯の場合

1.硬質レジン前装冠(保険適応)

金属冠の、前から見える部分にプラスチックを貼りつけて作ります。プラスチックは、多孔性で水分・唾液を吸収するため、変色しやすく、すり減ってしまうという欠点があります。保険で指定されている金属の、金銀パラジウム合金を用いているため、金属アレルギーの危険性があります。
とにかく費用を抑えられて必要な機能を備えていればいい、という方に向いています。

2.硬質レジンジャケット冠(保険適応)

金属を使用せず、硬質レジンと呼ばれるプラスチックでできているクラウンです。強度は、金属ほど強くなく、変色することがあります。

3.メタルボンド冠(保険外)

内側は金属で、外から見える部分はセラミック(陶材)を貼りつけたかぶせものです。昔からある治療法で、一般的な自費治療のひとつです。丈夫で変色しにくく、美しい歯になります。歯垢(汚れ)がつきにくいのも特徴です。

4.ジルコニア冠(保険外)

ジルコニアという陶材を歯科用に加工したものです。衛生的で透明感のある美しさが続きます。変色しにくく、すり減ったりしません。欠点は硬すぎるため、逆に残っている自分の歯の方がすり減ってしまう可能性があります。

準備中

小臼歯の場合 (奥歯の一部・前方)

1.硬質レジンジャケット冠(保険適応)

2.CAD/CAM冠(保険適応)

2014年4月から、小臼歯の全部被覆冠として「CAD/CAM冠」が健康保険に適用されました。金属を使わないため、金属アレルギーの方でも選択できます。金属ではないため、自然な歯の色に近いため審美的です。脱離しやすかったり、歯を少し多めに削らないといけないというデメリットがあります。

3.パラジウム合金の冠(保険適応)

いわゆる銀歯です。保険で指定されている金属の、金銀パラジウム合金を用いている冠です。金属アレルギーの危険性があります。
とにかく費用を抑えられて必要な機能を備えていればいい、という方に向いています。

4.メタルボンド冠(保険外)

5.ジルコニア冠(保険外)

大臼歯の場合 (奥歯の一部・後方)

1.パラジウム合金の冠(保険適応)

いわゆる銀歯です。

2.CAD/CAM冠(保険適応)下あご第一大臼歯のみ 限定的に

2017年12月から、第一大臼歯小臼歯の全部被覆冠として「CAD/CAM冠」が健康保険に適用されました。ただし、「上下顎両側の第二大臼歯が全て残存し、左右の咬合支持がある患者に対し、過度な咬合圧が加わらない場合等において下顎第一大臼歯に使用する場合」に認められるという条件付きです。つまり、奥歯はかむ力が強いため、この歯1本の他にも奥歯でしっかりかめている症例にしか、この材質は耐えられないという解釈になります。歯ぎしりや食いしばりの強い方は、お勧めしません。

3.メタルボンド冠(保険外)

4.ジルコニア冠(保険外)


この全部被覆冠で修復するとなると、目に見えている歯の部分のほとんどを削らなければなりません。

歯には、歯髄と呼ばれる、歯の神経があります。その神経が生きている場合に歯をこのようなかぶせものにするために削るときは、痛みを感じるため麻酔をする必要があります。
一方、歯の神経をすでにとっている場合には、古いかぶせものの中に虫歯ができていないかを確認して、再度歯の形を整えることになります。


ブリッジとは

ブリッジとは、失った歯があった部分の前後 (両隣) に萌えている歯を土台として「橋」をかけるように人工の歯を入れる治療法のことです。ブリッジを「入れ歯」と呼ぶ患者様もいらっしゃいますが、厳密に言うと、ブリッジは入れ歯ではありません。最大のデメリットは、失った歯の前後の歯を削らなければならないことです。

ブリッジのメリット

ブリッジは歯の土台に強力な歯医者さん用のセメントで固定して装着します。そのため、装着時の違和感が少ないのが特徴です。パッとみただけでは、ブリッジか、自分の歯かの区別がつかないほど、自分の歯のようになります。保険診療で治療を受けることができますが、保険適応となる場合は失った歯の数や、部位などによって厳密に決められています。したがって、「あなたはブリッジにできないよ」と言われるケースとは、ほとんどの場合が、失った歯の数が多くなってしまって、日本の保険診療で定められているブリッジの症例に合致しなかったということになります。

ブリッジのデメリット

ブリッジにするために、前後の歯を削らなければなりません。実際にある歯よりも、土台の歯の方が少ないわけですから、残っているご自分の歯に噛む力が多くかかります。そして、前後の歯を削るため、前後の歯の寿命が短くなってしまいます。場合によってはブリッジのスキマの部分から空気がもれて、今までより発音しにくくなるということがあります。

インレーブリッジはしません

ブリッジにもいろいろ種類があります。
当院では、インレーブリッジと呼ばれるタイプのブリッジは行いません。
歯医者の先生によっては、好んでこのタイプのブリッジを提案される先生もいらっしゃいますが、当院ではほとんど採用しておりません。歯質の削除量は、一般的なブリッジより少ないのですが、歯と修復物の境目が複雑になり、適合が甘くなります。また、歯質の削除量が少ないため、インレーブリッジにすると、外れやすいです。そのため、二次う蝕(虫歯)に非常になりやすくなります。どんなに、ご自身で歯みがきを入念にしていただいても、歯と修復物の境界自体にそもそもスキマがたくさんある状態ですので、どうやっても虫歯になります。気づくと、また虫歯になっているため、当院ではほとんどご提案しておりません。
これは、院長の40年の臨床経験から判断しております。

インレーブリッジ
右上第二小臼歯がインレーブリッジになっている

現在、作成中です。2020年7月現在