当院では、口腔内のレントゲン撮影を行う際は、デジタルレントゲン撮影装置を使用しております。従来の、フィルムを使用して撮影していたレントゲン撮影装置と比較して、放射線被ばく量が約1/4におさえられるため、患者様の負担を減らすことができます。また、CTの機能も兼ね備えている装置であるため、より精密に診査・診断を行うことができます。

具体的には、
親知らずの抜歯
親知らずなどで埋まっている歯の位置関係を従来より精密に確認することができます。
インプラント
インプラントの術前検査や、術中・術後の評価ができます。そのため、従来より精密な治療を行うことができます。
歯周病や歯の根っこの精査
歯周病で骨が吸収されている程度を確認できたり、歯の根っこの精査(歯の根っこが折れている、歯の根っこにうみがついている等)が可能です。

レントゲン撮影の必要性について

レントゲン撮影は、口の中を見ただけでは分からない情報、つまり、骨や歯といった硬い組織がどのような状態かということを画像の透過・不透過像として見ることができるため、今後の治療方針を検討していく上で、とても重要な検査となります。このようなメリットがある一方で、患者サイドとしては被ばくが心配です。

そこで、具体的な数字で確認してみましょう。
歯科でのレントゲン撮影での被ばくは、
口内法X線撮影(いわゆるデンタル)  1枚 0.01ミリシーベルト
パノラマX線撮影(いわゆるパノラマ) 1回 0.03ミリシーベルト  です。
(1年間に受ける日本人の自然放射線からの被ばく線量 約2ミリシーベルト)

結論としては、歯科用のレントゲン撮影に関しては、安全であるということが確認できます。
さらに目安としては、
国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年勧告の被ばく状況に応じた線量目安は、
一般人の被ばくの限度 1年間に1-20ミリシーベルト
一方で、わが国の対応としては、
一般人の被ばくの限度 1年間に1ミリシーベルトまで  となっています。

ちなみに、人への健康影響が確認されている被ばく線量は、100ミリシーベルト以上であると考えられています。

ここで、1年間での被ばくについての基本事項をおさらいすると、
1年間に受ける日本人の平均被ばく線量は約6ミリシーベルトであり、そのうち約2ミリシーベルトが自然放射線からの被ばくであると推定されています。自然放射線とは、大地や宇宙、食品などからの被ばくのことです。放射線検査による被ばく線量が、日本人は多いのですが、特にCT検査で占める割合が大きくなっています。(ただし、個人差が大きい)

 

出典:環境省ホームページ
「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成 30 年度版)」第2章 放射線による被ばく
http://www.env.go.jp/chemi/rhm/h30kisoshiryo.html
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h30kisoshiryo/h30kiso-04-02-02.html