突然ですが、このレントゲン画像を見ていただくとわかりやすいと思います。

このパノラマX線写真をご覧ください。
左下の6番目の歯の根っこに境目がはっきりしている透過像がみえていますね。

歯根嚢胞

その歯を抜歯したところ、歯の根っこに何かプニプニしたものがついてきました。
これが、「根尖病巣(根っこにうみがたまる状態)(根尖性歯周炎)(歯根嚢胞)」と呼ばれるものの正体です。
このように歯とともにきれいに袋状に摘出できることは非常にまれです。

目で見ることができるとイメージしやすく、分かりやすいですよね。

さて、歯の神経を抜いたことがある方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
「歯の根っこに膿がたまっている」とは、歯医者さん用語で「根尖性歯周炎」と呼ばれる状態のことです。目に見えない歯ぐきの中で炎症が生じており、一般の方にはなかなか説明が難しい病態です。レントゲン撮影によって大まかな推測が可能です。根尖性歯周炎とは、歯の神経を除去したあとにその神経のあったところに細菌が感染して起こる病態のことであり、抜歯の原因となります。

実際のところ、歯の神経の治療(根っこの治療)は難しいのです。なぜならば、
1.歯の解剖の複雑さ
2.狭くて暗い
3.直視できない
4.歯の根っこや底に穴があいてしまうリスク
等、あげたらキリがありません。(汗)

まず1つ目。歯の根っこには神経の管(くだ)というものがあります。その神経の管はさらに枝分かれしたりしています。奥歯に関しては、歯(歯冠)はひとつであっても、歯の根っこは2つであったり3つであったりします。さらに、歯ひとつひとつでも違いがあり、人それぞれにおいても個性があります。このように歯の根っこってとても複雑なのです。さらに、歯の根っこの管ごとにひとつひとつきれいに治療していくため、時間がかかり大変になります。特に奥歯は、大変。。。

次に、歯の根っこは、狭くて光が届きにくいから見えない!!
歯の根っこは歯ぐきに覆われていて、直接根っこを見ることができません。根っこの長さを直接確認できないため、そのかわりに用いられる器械として有益なのが、根管長測定器といわれる器械です。根っこの長さを精密に測定することで治療精度が向上し、歯の根っこにバイ菌・膿がつきにくくなります。そうすると、歯の根っこにバイキンがつきにくくなります。

当院では、自由診療となるマイクロスコープ治療等による根管治療(歯の根っこの治療)は行っておりません。保険診療の範囲内での治療をおこなっております。したがって、再根管治療が患者様にとって有益ではないと判断した場合は、かみ合わせの調整と化膿止め(抗生剤)を処方するといった方法にて経過観察をさせていただく場合があります。

患者様にとって有益ではない場合、というのは抽象的な表現ですね。
具体的には、
①根尖性歯周炎が大きくなっており、根っこの治療をやり直しても改善できるか分からない
②歯の根っこが折れている可能性が高い
③患者様が何回も歯医者さんに通院できない
といった場合などです。
もちろん、これらの病態であっても、自由診療で行う根管(歯内)治療の専門の歯医者の先生であれば治すことができるかもしれません。
不明点がありましたらご説明いたします。遠慮なくお尋ねください。