歯科衛生士さんと歯医者さんしか知らないですが、上顎第二大臼歯(上あごの一番奥の歯 7番と呼ばれる奥歯)のほっぺた側(頬側)は虫歯の好発部位なのです。

なぜ虫歯になりやすいのか?

  • ハブラシが届きにくいから
  • 唾液が届きにくいから

一般的には、「ハブラシが届きにくいから」と言われていますが、唾液の流れも大いに関係しています。唾液には自浄作用があり虫歯予防には必要不可欠なものです。

Key Pointは、耳下腺の開口部

大唾液腺の一つである、耳下腺の開口部がどこにあるかで虫歯のなりやすさが変わってきます。耳下腺の開口部からは唾液が出てくるので、その唾液の流れによって歯が再石灰化(虫歯を修復させること)できれば虫歯にはならないわけです。現に、下あごの一番奥歯(7番)の舌側(べろ側)は、通常、虫歯になりやすい部位ではありません。この部位もハブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすい部位になりますが、虫歯にはあまりなりません。

左上7番(金の被せ) 頬側に位置する耳下腺開口部

耳下腺の開口部が前の方にあると奥歯までつばの自浄作用が及びにくくなり虫歯になりやすくなります。

ハブラシのポイント

この部位のハブラシのポイントは、口を少し閉じ気味に(指1本分)して「エ」のお口にします。ハブラシを横から一番奥まで回しこみ、小刻みにブラシを動かして磨いてみてください。

にしお歯科には女医が在籍しています。

▶︎著者について

西尾麻矢子 (にしお歯科こども歯科院長)

・歯科医師 医学博士
・日本口腔外科学会認定医
・日本口腔科学会認定医