たまに、患者さん(お母さん)から相談されます。「うちの子、すごい口が臭いんです」
お母さんは、お子さんとの距離が近い場合も多く最も気づきやすいですね。
結論:子どもの口臭は、口呼吸が原因の場合が多い
通常、口臭がするのは歯周病が原因です。成人で40歳を過ぎてくると口がくさくなります。自分では、ちゃんと磨けていると思っていても、実際は磨けていないことがほとんどです。実際の診察時には、重度歯周病でなくても、歯石が沈着している方、舌苔(ぜったい:舌が白っぽく汚れている)がついている方もにおいます。私は、仕事として歯科医師という職業をしていますので、「口臭」に関しては、私が感じた場合は、患者さんにはちゃんと「口が少しにおいます。」と伝えるようにしています。
さて、口臭には、生理的な口臭と病的な口臭があります。
- 生理的口臭:起床時・空腹時・生理の時
- 病的口臭
病的口臭には、
- 口が原因のもの:歯周病・重度の虫歯・舌苔(ぜったい)など
- 全身的な理由によるもの:耳鼻科疾患・消化器疾患・呼吸器疾患など
があります。
歯周病はもちろん、虫歯でもにおうことがあります。それは、歯の神経の治療が必要な場合や、神経の治療がしてある虫歯の場合です。歯の根っこの治療の独特なにおいがあります。一方で、白いプラスチックを詰めるといった簡単な虫歯の場合にはにおいはほとんど他者には感じられません。
また、全身的な理由によるニオイもあります。教科書的には、胃腸が悪いとにおう等言われていますが、実際の診察時には、主に、耳鼻科疾患による口呼吸や臭い玉の場合が多いといった印象です。
口臭の原因となる物質は、食物残渣、死滅した白血球などのタンパク質が口の中の細菌によって分解され発生する硫化水素,メチルメルカプタン、ジメチルサルファイド等と言われています。つまり、健康な人でも口臭の原因物質は口の中に発生しているのですが、一般的には他者がくさいと感じない程度です。
さて、お子さんの場合はどうでしょうか。
お子さんは、歯周病にはほとんどなりません。重度の虫歯もある子もいますが、基本的にはそのような訴えは言われません。子どもの場合は、ほとんどが口呼吸による乾燥からくる口臭です。風邪をひいて鼻で息ができない時、口呼吸が習慣になってしまっている子がくさくなりやすいです。
生理的な口臭もある
起床時や、空腹時(つまり、口が乾燥している)時には口臭が強く出ます。ご自分で感じることも多いのではないでしょうか。そんな時には、まず水やお茶を飲んだり、ガム(可能であれば歯医者専売品のキシリトールオンリーのもの)を噛んでみるのがおすすめです。


