基本的な歯のお掃除は、通常サイズの歯ブラシで磨くのがお勧めです。ワンタフトブラシは磨きにくい特別なところだけ使用しましょう。
ワンタフトブラシとは
ワンタフトブラシとは歯ブラシのヘッド部分が小さく、毛束が一塊になっているブラシです

ワンタフトブラシの種類・V字タイプがお勧め
ワンタフトブラシはV字タイプと、ストレートタイプのものがあります。
ワンタフトブラシの「V字タイプ」は、歯と歯の間や歯周ポケット、矯正装置の周りなどにフィットしやすいのが特徴です。特に歯周病予防や複雑な歯並びのケアに向いています。
一方、「ストレートタイプ」は毛先が平らで、ピンポイントで磨きやすく、奥歯の溝や歯の隙間など虫歯になりやすい部分のケアに適しています。操作しやすく、初めて使う方にもおすすめです。
それぞれの特徴を活かして、目的に合わせて使い分けると効果的です。
ワンタフトブラシのメリットとデメリット
メリットとしては、普通の歯ブラシでは届きにくい部分(歯と歯の間、奥歯の裏、矯正装置の周りなど)をピンポイントで磨けるため、磨き残しを減らしやすく、虫歯や歯周病の予防に効果的なところです。
デメリットは1本ずつ丁寧に磨く必要があるため、時間がかかることがあります。通常のサイズの歯ブラシではヘッドが大きく磨きにくいところを簡単に磨けるように工夫したものがワンタフトブラシです。ブラシの面積が小さいので細かな部分の汚れを除去する力に優れています。そのため、デメリットとしては全部の歯を磨こうとすると時間がかかり過ぎる事が挙げられます。
ワンタフトブラシのおすすめ使用箇所と磨き方
- 奥歯の噛む面にある小さな溝(特に萌えている途中の6歳臼歯)
- クラウン(被せ物)が入っている歯の根元部分
- 萌えてきた親知らず
- 歯並びがでこぼこで重なっている(叢生)ところ
奥歯の噛む面にある溝(萌え途中の6歳臼歯・12歳臼歯・親知らず)
奥歯の噛む面は、人によっては溝(小窩裂溝と呼ばれる)が深くなっている場合があります。また萌出途中の歯は石灰化がまだ不十分で柔らかく、虫歯になりやすいのです。そして、奥歯は何より見えない!歯医者のライトがある訳ではないので、視野は真っ暗ですね。さらに、歯磨き粉が泡立って、ツバがたまってますます見えない!これでは、つい磨いた気になってしまいますね。
そこで、ワンタフトブラシの登場です。V字タイプを使用して、噛む面の溝(とにかく噛む面の真ん中あたりを目掛けて)をワンタフトブラシで小刻みに小さくグルグル動かしてください。
クラウン(被せ物)が入っている歯の根元部分
私が歯医者として個人的に特に使用してもらいたい部位は、クラウン(被せ物)が入っている歯の根元部分です。なぜかというと、まだ削っていない歯は通常の歯ブラシでも十分磨けるのですが、クラウンとなった歯は、歯の根元が全周金属などの歯冠修復物で覆われており、本来の歯の根元の豊隆(カントゥアcontour)具合が変わっており、磨きにくくなっています。全周金属の下に(歯茎があって見えないですが、まだ)歯があるので、その歯にブラシを当ててほしいのです。なので、通常の歯ブラシで磨いた後に、ワンタフトブラシのV字タイプでもクラウンの根元をブランコが揺れるようなイメージでみぎひだりに小刻みに動かしてください。
歯並びがでこぼこで重なっている(叢生)ところ
叢生部分は、歯が凸凹しており歯同士が重なってとても磨きにくくなります。ワンタフトブラシV字タイプのブラシの毛先を歯の根元や重なっている部分に軽く押し当て小刻みに動かします。
矯正装置(マルチブラケット装置など)が装着されている方も、使用してください。
ワンタフトブラシのストレートタイプは、ブリッジのダミー部(ポンティック)の底と歯茎の間にお勧めするときがあります。基本的には、V字タイプを使用していただくので良いと思います。
まとめ
ワンタフトブラシは、通常の歯ブラシでは届きにくい細かな部分をしっかり磨ける優れたアイテムです。特にV字タイプは歯と歯の間やクラウンの根元、萌出途中の歯などにフィットしやすく、虫歯や歯周病の予防に効果的です。用途に応じてストレートタイプとの使い分けもおすすめ。磨き残しが気になる方は、ぜひワンタフトブラシを取り入れてみてください。