歯の神経は、残せるのであれば残した方がいいに決まっています。歯医者であれば、100人中100人が同じ答えをします。

【参考記事】

▶︎神経を抜く、とは

では、なぜ神経を抜くのか?

歯の神経があるから

▶︎いつものように美味しく食事を食べられる
ご飯を食べるときに改めて実感することはほとんどありませんが、「ご飯を噛んでいる」、「アイスクリームが冷たくてしみる」、「みそ汁が熱い」、といったいつもの食事の時にいつものように感じることができるのは、歯に神経があるからなのです。こうした感覚があるのは歯の神経(歯髄)があるためです。

▶︎異常(虫歯)を感知できる
歯の神経があるからこそ虫歯を自覚できます。虫歯が痛い。歯の神経があるから、その神経が虫歯菌にやられ始めると、痛みが出ます。

▶︎さらなる異常(虫歯)から歯を守る
虫歯で歯が溶かされると歯の神経細胞は、第2象牙質と言って、新たな歯を作り始めます。つまり、歯の神経があるからこそ、虫歯菌から歯(歯の神経)を守ることができるのです。

なぜ歯の神経を抜くのか?

神経を抜くことにメリットはありません。
しかし、なぜ神経を抜くのか。それは、歯の神経を抜かなければ、痛みを止められないからです。歯の神経を抜かなければ、虫歯の治療を完遂できないからです。


▶︎虫歯が大きく、神経まで達している場合
虫歯はどんどん進行していき、やがて神経まで達します。虫歯とは、歯を酸で溶かした状態です。硬組織である歯がなくなると、虫歯菌自身が、歯の神経に到達するので、非常に痛みを伴います。当たり前ですが、通常の歯の神経のなかは無菌状態なので、バイ菌が神経を蝕んでいくと非常に痛いです。
この痛みを取ってあげるには神経を抜くしか方法はありません。

▶︎歯が折れて神経がむき出しになった場合
歯を打ったりして歯が割れてしまったりすると、歯の神経がむき出しになります。そうすると、息をするだけでも痛みがありますので、痛みを取るために仕方なく神経を抜く事があります。

ちなみに、知覚過敏の症状で歯の神経を抜いたことはほとんどありません。
知覚過敏であれば、しみないように歯医者さんの材料で封鎖してあげるのがベターな選択肢だからです。

また、ブリッジと呼ばれる治療法において、生きている歯を支台にする場合は、一般的な知覚過敏の100倍くらいシミて痛い場合があります。そういった場合には、あらかじめ神経をとる治療をする事があります。