結論:牛乳・母乳も虫歯の原因になります
「牛乳は虫歯菌が出した酸を中和するので歯に優しい」などといった情報がありますが、牛乳や母乳でも虫歯になります。
牛乳・母乳の成分には
・牛乳には乳糖が入っています。
・母乳や赤ちゃんの飲む粉ミルクにも乳糖が入っています。
乳糖は虫歯になるのか?
一般的な話として、口腔内の細菌は、乳糖を分解してグルコースとガラクトースに変換し、これらの糖が、口腔内の細菌の栄養源となり、酸を生成すると言われています。また、「母乳中の乳糖から酸を産生する菌としては、LactobacillusやBifidobacteriumが口腔内に存在する。」と以下の参考文献で記載されています。つまり、口の中の誰もが持っている菌が乳糖を代謝し、酸を産生する=虫歯になる可能性があります。
一般的によく知られている虫歯の原因となる糖は、砂糖(ショ糖・スクロース)です。
虫歯菌と言われているミュータンス菌にとって、ショ糖は非常に効率的なエネルギー源であり、これにより、ミュータンス菌が活発に活動し、グルカンと呼ばれるネバネバのものを大量に生成し酸も産生します。
乳糖は、ミュータンス菌によるこのグルカン生成にはあまり寄与しないと言われているので、ショ糖ほどは虫歯原生は高くないと言えますが、このグルカンと呼ばれるネバネバでつくられる酸の大部分はミュータンス菌以外のレンサ球菌やアクチノマイセスで作られていると言われています。
歯の成分は
一方、歯の表面を覆うエナメル質はハイドロキシアパタイトとよばれるリン酸カルシウムでできており、pHが約5.5以下になると急激に溶け出します。このように歯が酸で溶かされると、虫歯になるのです。
参考文献:「研究題目:授乳期における Bifidobacterium の存在と哺乳齲蝕との関連性」
https://www.isi-sys.net/futokukai/appli_f/rev_2012_shoni03.pdf
参考文献:「日本トゥースフレンドリー協会」