歯がたくさん残っている人は、歯が少ない人よりも、お医者さんでかかる医療費が少なくなります。
残っている歯が多いと医療費は安くなります
この図が示しているのは、要は、「歯がたくさんある人の方が、お医者さんの医療費が少なくなります」ということです。どの年齢階級においても、歯が少ない人の方が医療費が高くなっていますね。そして、すべての年齢階級において、女性の方が男性よりもお医者さんの医療費が少ない、ということも分かります。
年齢階級別の医科合計点数の平均値
日本歯科医療管理学会誌 51(3),136-142,2016
歯医者さんには、歯のお掃除でかかりましょうといつも提案しています。
なぜなら、治療で歯医者さんにかかると、通院にかかる1回の治療費も高額になります。かぶせもの1本でだいたい2万円くらいかかってしまいます。
歯がなくなれば、ブリッジにしたり、入れ歯にしたりしますね。そうするとまた治療費がかかります。
なにもなくても定期検診など歯医者に通っていただきたいといつも思っています。
調査で見る総医療費の推移
トヨタ関連部品健康保険組合と豊田加茂歯科医師会の共同調査によると、定期的に歯科を受診して歯の健康維持に努めた人は、生涯の医療費が平均よりも安くなることがわかりました。調査は組合員5万2600人の医療費と受診歴を分析し、予防目的で定期的に歯科を受診していた602人を対象に総医療費を調べました。その結果、48歳までは医療費が平均よりも高かったものの、49歳を超えると医療費が平均より安くなり、65歳時点では平均より15万円以上安くなることが確認されました。
歯科医院で年2回以上定期的に歯石を取るなどの行動をしている人はそうでない人に比べて医療費が低く、高齢になるほどその差が広がる傾向があることが報告されています
愛知県 進行した歯周病患者の口腔
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/452521.pdf
アンケートによる歯の健康についての意識は
2022年に日本歯科医師会が行った調査によると
「健康を維持するうえで、歯や口の健康は欠かせない」 と回答するも、半数以上が歯科医院で定期チェックを受けていない
との結果がでました。
全世代・性別において「健康を維持するために歯や口の健康が重要」と考える人が90%以上に達しており、口腔健康維持への意識が高まっていることが確認されました。また、「自分の歯をできるだけ残したい」と考える人も9割以上を占めています。しかし、実際に定期的に歯科医療機関でチェックを受けている人は半数以下にとどまっており、意識と行動の間にギャップがあることが明らかになりました。
15歳〜79歳の男女10,000人に聞く、「歯科医療に関する生活者意識調査」
https://www.jda.or.jp/jda/release/cimg/2022/DentalMedicalAwarenessSurvey_R4.pdf
また、この調査では、この1年間に歯の痛みなどで日常生活に支障を来した人は、5人に1人。そのうちの8割が、「もっと早くに治療を受ければよかった」と後悔している、との報告もあります。