最終更新日 2024/08/17
2023年11月、
東京都日野市開業 峯岸大造先生の、
「歯肉縁下のプラークコントロール」
という歯周病の実習コースを受けました。峯岸先生は、東京医科歯科大学歯周病学講座に在籍されていた経歴があり、歯周病を熱心に勉強されている先生です。今回は、歯周病についての論文をたくさん提示され、論理的に歯周病について分かりやすくお話していただきました。その中でも、最も興味深かった内容について記載したいと思います。
歯周治療のあれこれ
- 細菌検査は不要である
- スケーリング・ルートプレーニング(歯の根っこの掃除)と歯周外科(5種類)の術式を比較したところ、歯周外科の術式はあまり関係ないことが分かった。要は、歯の根っこのプラーク(汚れ)と歯石がしっかり取れていることが重要である
- 歯周病治療に抗菌薬の全身投与は「弱い推奨」
細菌検査は不要である
歯周病菌を調べる細菌検査は、今は必要ないそうです。(患者さんのお口の中の掃除に対するモチベーションの維持には効果があると言われています)細菌検査の必要性よりも、現在は、歯周病はDysbiosis(ディスバイオシス)説といった病因論が提唱されています。ディスバイオシス説とは、歯周病の原因となる多種多様な細菌たちと、人間側のリスク因子(例えば、歯の並び方や、歯自体のかたち等)や免疫力の低下によって、その均衡が崩れた状態が歯周病になるといった説のことです。
私が以前講演を聞いた天野先生もそのようにおっしゃっていましたね。
歯周外科治療の術式はあまり関係ない 大事なのは歯石と汚れをとること
歯周病治療の中には、一般的な歯の掃除よりもさらに専門的に歯の根っこまで掃除するために、外科的に歯ぐきを開いて歯の根っこの汚れや歯石を取り除く、歯周外科治療というものがあります。(保険診療でできます)
根拠は1985年のWestfeltの論文なので古い時代のものですが、歯周治療でとにかく大切なのは、歯の根っこのプラーク(汚れ)と歯石をしっかりとる、ということなのです。
Improved periodontal conditions following therapy :E Westfeltら
Jounarl of Clinical Periodontology 1985 Apr;12(4):283-93.
歯周病治療に抗菌薬の全身投与は「弱い推奨」
欧米では、メトロニダゾール(抗原虫剤)とアモキシシリン(ペニシリン系抗生剤)の併用による抗菌薬の経口投与が歯周病の抗菌療法の標準治療となっているものの、日本歯周病学会のガイドラインによると、「弱い推奨」となっています。つまり、推奨するだけの根拠がない治療法ということです。
一方で、歯周病の急性発作には、抗菌薬の経口投与は有効です。
スケーリング・ルートプレーニング(SRP)の実際
歯ぐきの上についている歯石は一般的には超音波スケーラーといわれる器械を使用してとっていきます。
歯ぐきの中にも歯石はたまります。それをとり、歯の根っこを滑沢にすることをスケーリング・ルートプレーニング(SRP)と呼びます。
SRPをする様子
SRP:手用スケーラーで行う様子。歯ぐきの中の歯石がまだとれていません。