仕上げみがきが大切な理由
お子様だけではちゃんとみがけません。お子様に虫歯のないきれいな歯をプレゼントしてあげましょう。
ほんとうにお子様への大切なプレゼントになります。
保護者の方が忙しくて大変なのは分かっています。でも、ハミガキだけは譲れません。
毎日夜寝る前は、必ず仕上げみがきをお願いします。夜寝る前に1回だけで構いません。
6歳臼歯が虫歯にならないと、20歳の時の虫歯がほとんどない状態になり、そうなるとほぼ虫歯ゼロで生涯過ごせることが科学的なデータで示されています。(分かりやすく説明するとザックリこんな結果となっているデータがあるのです。)
つまり、小学校入学前までに虫歯ゼロを達成してほしいわけです。そんな時期は、お子様は自分では磨けませんよね。ですから、保護者の方の出番となります。
仕上げみがきのポイント
❶ 姿勢
私自身、仕上げ磨きの姿勢を特に気にしたことはなかったのですが、本当に姿勢が重要です。
ちゃんと磨く夜は、必ず私の膝に子供の頭をのせて寝かせて行っています。逆に適当に磨くときは子供は立ったままで、やりにくくて磨けないわと内心思いながら、「ま、いっか」と簡単に磨いています。心意気が姿勢に現れていると再認識しました。
仕上げみがきは、お子様の頭を保護者の方のひざの上にのせて、寝かせておこなうとやりやすいです。
お子さまの口の中がしっかり見えるようにお子さまの頭の位置を微調整します。
❷ 鉛筆を持つように
利き手で鉛筆を持つように(ペングリップ)歯ブラシを持ってください。その反対の手の一指し指でお子様のほっぺを内側から広げるようにすると、歯がしっかりみえますので、歯みがきしやすくなります。
上手にできたらお子様をほめてあげてください。
❸ ヘッドの小さいもの
保護者の方は仕上げ磨き用のヘッドの小さい歯ブラシを準備しましょう。こちらの仕上げ磨き用の歯ブラシはお子様には持たせないようにしてください。お子様が触ると歯ブラシの毛先があっという間にバサバサに開いてしまいきれいに磨けなくなってしまいますからね。
❹ 必ずデンタルフロスも
なにより伝えたいことは、お子様のお口の中で一番奥の子供の歯(第2乳臼歯:Eと呼ばれる歯、2歳前後に生えてくる奥歯の二つ目)がはえてきたら、必ずフロスをしてほしいのです。
今の日本では、デンタルフロス(いわゆる糸ようじ)はほとんど習慣になっていません。虫歯になりやすい方はフロスをしなければ必ず虫歯になります。
つまり、歯医者の啓蒙活動が足りないと思っています。
虫歯になりやすい箇所は決まっている
虫歯になりやすい箇所はだいたい決まっていますので、そこだけ重点的に磨けば虫歯にはならないのです。歯ブラシの届きにくい場所(=虫歯のリスク部位と言ったりします。)を保護者の方が理解することが重要です。
①歯と歯ぐきの境目②歯と歯の間③噛む面のミゾです。
子どもの歯の時は、「①の歯と歯ぐきの境目」はそんなに気にされなくても大丈夫です。以下のリンクは大人の方への自分磨き用のものですが、分かりやすく解説されています。
【参考記事】
▶︎虫歯のリスク部位 (成人用に記載)
ほとんどの人にあてはまる、虫歯のリスク部位について解説いたします。
お子さま自身は歯ブラシ・フロスの習慣を身につける
お子さま自身は、乳幼児用の「マイ歯ブラシ・マイフロス」を準備しましょう。お子さま本人では全然みがけませんが、「自分の歯ブラシ・フロス」をつくってあげることが大切です。まずは、口の中に入れてみることから始めてください。ちなみに、お子様用の歯ブラシはお子様の好きなキャラクターの歯ブラシでオッケーです。歯ブラシのヘッドの大きさなどはまだ気にされなくて大丈夫です。
虫歯が進行しないポイント
- 家庭用の低濃度のフッ素や、キシリトールを使用してみてください。
- 食習慣を見直してみてください。ダラダラとジュースやキャラメルを口の中に含んでいませんか?
規則正しい食生活になるだけでも十分虫歯予防になります。
動画で説明:歯みがきのポイント
この子は、乳歯がすべてはえそろいました
①まずは、奥歯のベロ側から磨きましょう。 (上のあごと下のあご)
②次に、カチカチと噛む面磨きましょう
③ほっぺた側を磨きましょう。
③フロスも必ずおこないましょうね☆
おとなの歯(6歳臼歯)がはえてきたら
6歳前後になると、おとなの歯が生え始めます。噛む力に最も影響を及ぼす大切な歯です。絶対に虫歯にしてはいけません!
お口の横から、歯ブラシを入れて
①舌側②かむところ③頬っぺた側
と細かく磨きましょう。
歯を抜いています
お子さまは、もちろんイヤがっていましたが、子供の歯を抜いてしまいました。
グラグラに見えてもスッと抜けないこともあります。
抜いた後に、歯を間違って飲み込まないように気をつけなければいけません!
お口の中は、その子の家庭環境を物語る
お母さんたちの日々の考えや行動が、お口の中ににじみ出てきます。仕上げ磨きをしていないことを隠そうとしても、お子様の口の中を見れば一目瞭然です。
日々の診療の中で、「お母さんたちの行動を積極的に促すことができる」にはどうしたらいいかと、歯医者としていつも言葉がけを考えています。ただ単に、磨いてね、ではなくてハミガキのポイントを押さえてできるだけ手抜きをしながら生活してほしいと願っています。