バイ菌が歯をやっつけると、虫歯になります。
バイ菌が歯ぐきをやっつけると、歯周病になります。
20代~30代といった若い時にはそんなに気にならなかった方も、40代、50代になると少しずつ歯周病になっていきます。自分で磨けていると思っているハミガキは、実はちゃんとできていないかもしれません。「疲れると歯ぐきがうずく…」とか、「奥歯がたまに痛いときがある」といった症状は歯周病のサインかもしれません。毎日毎日積み重ねられた患者様ご自身のハミガキの成果の現れが、口の中に現れます。歯周病は、あなたのハミガキの仕方に黄色信号を出しているのです。
当院では、まず歯周病の治療を行い、その後、継続的に経過をみせていただいております。歯周病で歯を抜かなければならない患者様をひとりでも減らしたいと考えております。

<歯周病かもしれません>

要注意!こんな症状はありませんか?

・歯を磨いている時に歯ぐきから出血することがある
・歯ぐきがやせてきた
・口の中で甘い味がする時がある
・口臭が気になったり、誰かに指摘されたことがある
・かむと歯が動いて痛い
・歯並びが悪くなった気がする

45歳を過ぎると、2人に1人が歯周病にかかっている?

平成28年歯科疾患実態調査より

最も一般的な歯科についての調査において、このようなことが言えます。30歳から約30%の人が歯周病に罹患しており、40歳からは約40%の人が歯周病に罹患しています。さらに50歳以上の年齢の方は、半数以上の人が歯周病を患っていることが分かります。

*4mm以上の歯周ポケットを持つ人の割合は、高齢になるにつれ増加しており、年次推移を見ると、ほぼ全ての年代で高値を示した。(図21)
歯肉出血のある人の割合は、15歳以上で30%から48%の割合であった。
厚労省平成28年歯科疾患実態調査より
(ただし、ポケットの深さだけでは、歯肉炎か歯周炎かの厳密な診断はできません。)

歯周病は、細菌の感染症です

口の中には、およそ350種類の細菌が非常にたくさん(1000億の数)存在しています。

歯周病原菌には、
Porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス菌:P.g菌)や、
Actinobacillus actinomycetemcomitans(アクチノバチラス・アクチノマイセテムコミタンス菌:A.a菌)などがあります。

一方で、歯肉炎から歯周炎への進行に関与していると考えられているのが、
Fusobacterium nucleatum(フゾバクテリウム・ニュークレアトム菌)や、
Prevotella intermedia(プレボテラ・インターメディア菌)などの増加です。

健康な歯肉の細菌構成には、グラム陽性菌の占める割合が85%と言われています。一方で、大人の歯周病の歯肉の細菌構成は、偏性嫌気性菌(酸素を含む環境下では生育できない菌)がほとんどであり、グラム陰性菌(P.g菌やA.a菌は、グラム陰性菌)が75%を占めているという特徴があります。

健康な歯肉と歯周病の歯肉とでは、バイオフィルム(汚れ+バイキン)の構成が違うのです。

「歯周病学」より

歯周病とは

歯周病には、歯肉炎と歯周炎があります。以前は、歯周炎のことを、「歯槽膿漏」と言っていました。

歯肉炎の段階

歯と歯ぐきの境目に、プラーク(歯垢)がついています。歯ぐきに炎症がおこりますが、歯槽骨の破壊は見られません。まだ健康な歯ぐきに回復できる状態です。

歯周炎とは

歯周病とは、歯ぐきが炎症をおこし、歯根膜が破壊され歯槽骨が吸収する状態のことを指します。
歯周病は、主に、バイオフィルム(プラークや歯垢とほぼ同義)の中の歯周病菌(アクチノバチラス菌:A.a菌や、ポルフィロモナス菌:P.g菌)の成分や、その代謝産物が原因となり罹患します。
これらのグラム陰性菌の外膜成分のひとつであるLPS(リポポリサッカライド)が、さまざまなルートから自分自身の免疫細胞を刺激することで、たんぱく質を分解する酵素(プロテアーゼ)が産生されます。それにより、歯根膜や歯槽骨を破壊します。

歯周病のリスクファクター(危険因子)には、

★環境(食生活や喫煙、教育レベルなど)
★宿主(素質や体質、年齢、性格、ストレスなど)
★病因(歯垢、歯石、歯周病関連菌など)
があげられます。
喫煙や糖尿病を例にあげると、歯周病に対する喫煙者のリスクは、非喫煙者に比べて約2-9倍と言われています。2型糖尿病患者の歯周病に対するリスクは、非糖尿病患者と比べて、ある文献によると約3倍と考えられています。また、最近では、心筋梗塞などの全身疾患との関連も指摘されており、歯周病のコントロールの重要性が示唆されています。

お口の中が、きれいで悪いことはひとつもありません。磨きすぎるぐらい、お口の中をピカピカにしましょうね。歯ブラシだけでなく、はみがきのための補助用具(デンタルフロス、歯間ブラシなど)を使用してもらうことが大切です。歯と歯の間や歯並びが悪いところは、歯ブラシでは届きません。そういったところについた汚れを落とすには、デンタルフロスや歯間ブラシといった補助的な用具を活用していただくのがオススメです。歯医者として診療していますが、虫歯になっているところや歯周病になっているところというのは、およそ80%(筆者の経験による推測値)が、こういうみがきにくいところです。ですから、歯をお掃除する道具をひとつ増やすだけで、格段にお口の中がきれいになるんです。以下のリンクに詳しいことが記載してありますので、ぜひご覧ください。

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2020年8月更新