歯医者の迷いどころ①

虫歯を見ると、歯医者さんであっても分からないことはたくさんあります。できるかぎり多角的に診療するように心がけておりますが、なかなか難しいときもあります。虫歯には進行具合によってレントゲン写真では不鮮明であったり、すでに治療済みの歯であれば、そこはレントゲン不透過像(レントゲンでは真っ白にうつったり)となって全く診断できなくなることもあります。

実際には、歯を削ってみるしか手段がないこともあります。歯医者にとって、歯を削るというのは一番最後にしたい診断になります。当院は小さい虫歯は削らないという方針をとっておりますので、当院で「こりゃ虫歯の治療をしなきゃいけない」というお話がでたら、治療をうけて下さいね。

これが詰め物(インレー)の窩洞

歯を削っているところ
インレーのマージン(境)となるところ

黒くなっているところが、虫歯の取り残しだとおっしゃる方がみえるでしょう。
虫歯には、色々な段階があります。

インレーで大きくなってしまった

赤丸のところは虫歯が深かったところです。

赤丸のところは虫歯が深かったところです。こういう部分が多ければ多いほど、インレーは取れやすく(脱離しやすく)なってしまいます。

この歯は、以前にインレーが入っていました。そのうえで二次カリエス(再び虫歯になること)になり、再治療となりました。
この繰り返しで、歯は少しずつなくなっていきます。
この歯は、もう少し虫歯が大きくなると、インレーではなく、クラウンにしなければならなくなっていきます。
「インレーでいく」と歯医者が決めて治療するものの、虫歯が思った以上に深く進行していることもあります。

模型でみると虫歯が大きいのがはっきりわかりますね

現在の歯科での虫歯治療は、ミニマルインターベンション(MI)の概念が取り入れられています。MIとはMinimal Interventionの略で、「できるだけ削らない」「できるだけ歯を削らないためには、どのようにしたらよいか」という概念です。これは、2002年のFDI(国際歯科連盟)において発表されました。
このように「なるべく削らない」が大原則です。したがって、カリエスチェッカー(虫歯を染める歯医者さん用の染め出し液)でそまらないところは削らない、のです。

インレーの中でもアンレーという部類ですね

歯医者としては、
「インレーの方が歯を削るのは少なくすむけど、また二次カリエス(再び虫歯になること)になっちゃうかな」(インレーは境目がクネクネと曲がっており、再び虫歯になってしまいやすい治療法でもあります)
とか
「この方の場合は、ハミガキが上手にできないからクラウンにしてあげた方が歯が長持ちするんじゃないかな」
とか、色々考えたりします。

なるべく患者さんにとって最善を尽くしたいと考えています。