最終更新日 2024/08/17
指しゃぶりに対する考え方
指しゃぶりに対する考え方は各専門領域間で異なっているのが現状です。
小児科医:「指しゃぶりは生理的な行為であり小児の生活環境・心理的状態を重視して無理にやめさせない」という意見が多いようです。
小児歯科医:「不正咬合の進行を防止し口腔機能を健全に発達させる観点から4-5歳を過ぎた指しゃぶりは指導した方が良い」
臨床心理士:「4-5歳になっても持続する場合は生活環境が影響しているので、問題行動の一つとして対応する」としています。
参考
小児科と小児歯科の保健検討委員会:指しゃぶりについての考え方
生後12カ月頃まで
「乳児の発達過程における生理的な行為なので経過を見ていればよい」とされています。
1-2歳頃
「遊びが広がりお人形を抱っこしたりするような手を使った遊びが見られるようになると昼間の指しゃぶりは減少する。退屈な時や眠い時のみ指しゃぶりがみられる。」
「あまり神経質にならずに小児の生活全体を温かく見守る」のでよいとあります。
3-6歳頃
「友達と遊ぶなど社会性が発達するにつれて指しゃぶりは自然と減少することが多い。5歳を過ぎると指しゃぶりはほとんどしなくなる。」
→ 頻繁な指しゃぶりが続く場合は、小児科医・歯医者・臨床心理士による積極的な対応が必要となります。
学童期以降
「頻繁に指しゃぶりをしている場合は、 特別な対応をしない限り消失することは少ない。」
→ この時期になっても固執してる子、あるいはやめたくてもやめられない子の場合には、小児科医・歯医者・臨床心理士の連携による積極的な対応が必要となります。
指しゃぶりが歯に及ぼす影響について
指しゃぶりは、特に幼児期によく見られる習慣ですが、長期間続けると歯にさまざまな影響を及ぼすことがあります。
1. 歯並びの影響
指しゃぶりを続けると、上の前歯が前方に出てしまったり、下の前歯が後方に押し込まれることがあります。これにより、歯が正常な位置に並ばず、前歯が噛み合わなくなる「開咬(かいこう)」という状態が起こることがあります。
2. かみ合わせの問題
指しゃぶりの力で上顎と下顎が正しく成長しない場合、かみ合わせに問題が生じることがあります。これにより、食べ物をうまく噛むことが難しくなったり、将来的に顎の発達に悪影響を与える可能性があります。
3. 発音への影響
歯や顎の位置がずれることで、特定の音を発音するのが難しくなり、発音に影響が出ることがあります。
まとめ:3歳頃までの指しゃぶりはOK
要するに、3歳頃までの指しゃぶりは禁止する必要はありません。
指しゃぶりは、多くの子供が成長とともに自然にやめることが多いですが、4歳を過ぎても続ける場合は、歯や顎への影響を考慮して対策を検討することが必要です。歯科医と相談し、子供が無理なく指しゃぶりをやめられるようにサポートすることが大切です。