デンタルフロスには、指巻きタイプとホルダータイプ(F字・Y字)があります。
個人的な意見ですが、日本人にはデンタルフロスはまだ一般的でない印象があります。歯ブラシ以外口腔ケアグッズは使ってないです、と返事されることが多いです。
 ですので、歯ブラシ以外の歯間清掃補助道具を使われていない方には、使い方が簡単な、ホルダータイプのY字型デンタルフロスをお勧めしています。ちなみに私はというと、このY字型フロスは常に持ち歩くポーチの中に常備しております。必須アイテムです!
F字型フロスは、前歯の掃除にはいいのですが、奥歯になると場合によっては利き手と反対側に手をクロスしながら挿入しなければならないので、使いにくいと感じています。

指巻きタイプのフロスは上級者向けなのであまり説明してこなかったのですが、糸がたくさん巻き付いているフロスだと汚れがゴッソリ取れます。せっかく指巻きタイプを使うので、糸がたくさんのものを選びたいですね。

お勧めはやっぱり
オーラルケア社の「フロアフロス」です。

つばで濡れるとフロスの糸たちがふわふわ広がり、めちゃくちゃ汚れを絡めとります。まさに、「からめとる」。

指巻きタイプのフロス

最近実感することの一つに、フロスをただ通すだけでは意味がないということです。
ノコギリをギゴギゴするように歯の横の面をしっかりこすって欲しいのです。約40cmのフロスを準備し、右人差し指にくるくると1回巻きつけて使うか、両端を結んで輪っかを作って使用して下さい。

1. フロスをノコギリのように前後に動かしながら、歯の側面に当ててください。フロスを挿入した奥側の歯の側面をギゴギゴし、今度はそのまま手前側の歯の側面をギゴギゴしてください。

2. 歯茎の中2-3mm(歯肉縁下)までフロスを挿入してください。何回か上下にフロスを移動させて汚れをごっそり取り除きます。

3. インレー等の詰め物がある歯はフロスを引き抜く時に外れやすくなりますので、可能であれば横からフロスを引き抜いて下さい。本来は、取った歯の汚れを引っ越しさせてはいけないので、使用したフロスの面を代えて新しいフロスの面を出して使用して欲しいのですが、あまり細かいことを気にしていると面倒になりますので、できる時で構いません。

実際の使い方

下顎と上の前歯の場合

左下奥歯にフロスを入れる
上の前歯にフロスを入れる

一番簡単なのは、下の歯なのでここから始めるのがお勧めです。

下の前歯は虫歯になりにくいところなので、少し手を抜いてもいいですよ、奥歯をギゴギゴしっかりこすってください。

上顎 奥歯の場合

左上奥歯にフロスを入れる 正面から
左上奥歯にフロスを入れる 横から

奥歯をしっかり覗き込んで、歯をよく見て下さいね。

フロスを張って使用しましょう。

慣れるまでが大変ですが、慣れるとやめられなくなります。

にしお歯科には女医が在籍しています。

▶︎著者について

西尾麻矢子 (にしお歯科こども歯科院長)

・歯科医師 医学博士
・日本口腔外科学会認定医
・日本口腔科学会認定医