よく患者さんのお母様やお父様から質問があります。矯正治療が必要ではないかと心配になって、歯医者さんに来られます。
両側上顎中切歯(1番)の間の隙間は正常です
結論から申し上げると、ある程度の隙間は異常ではありません。
上顎の1番と言われる歯は、歯の解剖学的に「ハ」の字の形で生えてきます。小児歯科学の分野では、この時期を「みにくいあひるの子(ugly ducking stage)」(小児歯科学の教科書に、本当にこう記載されているのです。)と呼び、正常な発育であるといえます。
隙間があった前歯も、他の前歯や犬歯が生えてくると徐々に真ん中に寄ってきます。
さらには、頬舌的(ほっぺたと舌との位置関係)に言えば、歯の並ぶ位置は唇の力と舌の力のバランスにより決まります。
「みにくいあひるの子」は12歳頃まで
ただし、10-12歳ごろで犬歯(糸切り歯)が萌出し終わっても前歯の間にスキマがある場合は、異常ですので、歯医者さんを受診しましょう。上唇小帯強直症があると、正中離開と言ってスキッパになってしまう可能性があるため、切除してあげた方がいい場合もありますからね。
困ったら歯医者さんに相談してください。
小児歯科学(医歯薬出版)参考