愛知県歯科医師会主催の、0歳児からの口腔機能育成事業に参加させていただきました。

赤ちゃんのお口の機能を理解し、その機能を育成することが生涯の健康における土台となります。0-2歳児の、「食べることとからだづくり」の関わりが重要です。

われわれ歯科医師において、赤ちゃんの「歯みがき」「歯列」だけではなく、「姿勢」や「生活習慣」においても積極的に関わっていくことが大切です。

今回は、赤ちゃんから2歳までのお口の発育と関係の深い、理学療法学的な視点からの講演と、作業療法学的な視点からの講演でした。

赤ちゃんが遊びの中で楽しく体幹を強化できるような工夫をするといった理学療法的な観点から、からだの発達と姿勢との密接なつながりを理解することができました。具体的には、3か月児では下顎を引けるようになるといった体幹が安定することによって、離乳期の摂食機能を獲得していくことができます。
続いて、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の5感以外の、固有受容覚・前庭覚といった感覚を統合していくことで赤ちゃんは食べ物を上手にとらえることができるようになるといった、作業療法学的な視点からのお話でした。「食べ物が口元に運ばれたタイミングで口をひらくことができるようになる」といった、からだの傾きやスピードを感じる前庭覚や、「嚙む力を加減する」といった力の入れ具合を感じる固有受容覚を含めた様々な感覚を統合することで赤ちゃんは食べ物を上手に食べることができるようになります。

このように、様々な視点から口腔機能の発育にアプローチできると、われわれ歯科業界から生涯の健康に貢献することができます。