最終更新日 2024/08/16
6歳臼歯とは
6歳臼歯(ろくさいきゅうし)とは、通常6歳頃に生えてくる永久歯の一つです。正式には「第一大臼歯」と呼ばれます。子供の乳歯が抜ける前に、最初に生えてくる永久歯であり、上下左右の奥歯に1本ずつ、計4本が生えてきます。
特徴
- 最初の永久歯
乳歯が抜ける前に生えてくるため、気づきにくいことがあります。生えた時点で既に永久歯であるため、これが虫歯になると将来にわたって大きな影響を及ぼします。 - 咀嚼の主役
6歳臼歯は、食べ物をしっかり噛み砕くための重要な歯で、噛む力が強いです。 - 生え変わらない
6歳臼歯は生え変わることがないので、一度失うとそのまま失われてしまいます。
重要性
6歳臼歯は咀嚼機能を支える重要な歯であり、これが健康であることは全体の歯並びや口腔内の健康に大きな影響を与えます。正しいケアを行うことが、将来の歯の健康を守るために非常に重要です。
【併せてお読みください】
▶︎6歳臼歯の虫歯予防にシーラントを
虫歯になりやすい部分を物理的に封鎖して虫歯を防ぎます
▶︎6歳臼歯の色が変?
歯の成長の最終段階に、「石灰化」という時期があり、その時期に何らかの障害を受けると、低石灰化が起きる場合があります。
萌出遅延(ほうしゅつちえん)とは
6歳臼歯は名前の通り、6歳ごろに萌出しますが、合計で4本生え揃うのが正常です。
たまに、生えてきていない6歳臼歯に気づいていない場合があるので注意が必要です。
萌出遅延とは、乳歯が抜けた後に大人の歯(永久歯)が生えてこない、または生え変わりが遅い状態を指します。
萌出遅延には
- 粘膜性の萌出遅延
- 歯胚性の萌出遅延
- その他の萌出遅延
があります。
1.粘膜性の萌出遅延
上顎の前歯(1番2番)といったような、歯に見られることが多く、歯ぐきが硬いことによって歯がなかなかはえてこない状態のことを指します。上顎の前歯の歯ぐきが厚くて硬いと、上の乳歯がぬけて全然大人の歯がはえてこないケースがあります。
2.歯胚性の萌出遅延
レントゲン写真などから歯の卵が成長していないと判断される場合も指します。6歳臼歯や12歳臼歯などで当てはまることが多いです。
上顎の6歳臼歯の左右差に注目
永久歯は、左右でだいたい同じ時期に生え変わります。口の中で片一方の歯がしっかり生えてきているのに、もう片一方が全く生えていない場合には、開窓術を行い、意図的に萌出させてあげた方が良いと考えています。
萌出遅延に対して開窓術を行った症例
7歳のお子さんです。術前の写真を撮り忘れているので、石膏模型になりますが、右上の6歳臼歯が萌出遅延となっていました。レントゲン写真からは歯の卵が成長していないと判断し、局所麻酔を行い、開窓術(歯の上に覆いかぶさっている歯ぐきや骨を取り除くこと)を実施しました。すると約8か月後にはこの位置まで萌出してきました。
歯ぐきがなくなるだけでも埋まっていた歯が生えてくることがあります。
7歳の子にとっては局所麻酔は痛くてしんどい治療になりますが、この子の将来のかみ合わせや歯並びにとっては開窓術が必要と判断しました。
適切な時期に適切な処置をしてあげたいと考えています。