最終更新日 2023/7/1
歯科医院をリニューアルしたため、レントゲン機器を再設置したり、新しく導入しました。レントゲン装置の動作確認のため、トライアルが必要になりますよね。
そこで、手をあげました。歯医者まやこの上顎から鼻までの範囲をCT撮影しました。
そうしたら今まで分からなかった事実が判明しました!
なんと、私には過剰歯があったのです。
歯医者なのに過剰歯があることを知らず、また気づかずに生きてきました。
過剰歯とは
過剰歯とは、余分な歯という歯科用語になります。たいていの場合、歯医者さんは過剰歯を過剰歯と判別することができます。なぜなら、同じ歯種の他の歯より明らかに小さかったり、明らかに形が異なっていたりするからです。先端が先細りした円錐形が多いです。
最も多い過剰歯は、上顎(上あご)の正中(真ん中)にでき、正中過剰歯と呼ばれます。他には、上顎の大臼歯2本(6番7番)の間の頬っぺた側にでてきたりします。過剰歯は、向きにより専門的な呼び名があり、「順性(通常の歯と同じ方向に向いている)」と「逆性(通常の歯と逆の方向に向いている)」があります。
過剰歯って治療が必要なの?
歯列(歯の並ぶ位置)に悪影響がある場合には、抜歯が必要です。
過剰歯は、他の歯の正常な萌出を妨げることにより歯並びが悪くなる原因になることが多く、そのような場合には抜歯の対象になります。
過剰歯は、正常な歯とは形が異なり萌出部位が正常歯列から外れるため、ほとんどの過剰歯が抜歯適応となります。
過剰歯は口の中に萌出せず顎の骨の中に留まっていることもありますが、たとえ萌出していなくても他の歯に悪影響を与えることもあり、このような場合には抜歯が必要になります。
じゃあ抜歯の時期はいつがいいの?
- お子さまの協力が得られる時期
- 永久歯に影響が出始める前
「お子さまの協力が得られる時期」は、局所麻酔で行うのであれば話が通じ30分程度の抜歯時間を我慢できるようになる5~6歳以降が望ましいでしょう。
全身麻酔で抜歯するのであれば、もう少し小さいお子さまでも可能となります。ただし全身麻酔となると大きな病院で入院手術が必要になりますし、術前検査も行わないといけないため本人にとっても保護者の方にとっても時間的にも精神的にも非常に負担になります。メリットは、全身麻酔であるので、そのときの嫌な記憶はまったくありません。
永久歯の歯列に悪影響が出始めたならできるだけ早急に抜歯してあげるのがいいでしょう。通常は、上顎の真ん中に過剰歯ができやすいので、6歳ごろの永久中切歯が萌出する前までに抜歯してあげるのが理想です。
永久歯列に悪影響とは、正中離開(上の真ん中の前歯2本がはえたときに、歯と歯の間のすき間が著しく開いている状態)や、永久歯の歯の根っこを吸収しているような過剰歯がある場合のことを指します。
抜歯の時のデメリットは?
デメリットは、手術中に他の正常な永久歯(前歯が多い)を傷つけてしまったり、間違えて抜いてしまったりすることがあります。
私の過剰歯はどう見えた?
私の場合は通常どこの歯医者でも撮影するパノラマX線検査を撮影していても、過剰歯を判別するのは困難でした。なぜなら、鼻の骨とちょうど重なるところであり、パノラマX線検査の特性上、不鮮明になるからです。
- 左上は前頭断CT画像
- 右上は矢状断CT画像
- 左下は水平断CT画像
- 右下は3D構築像
以上、歯科医学的な見解を申し上げたうえで、一般的な過剰歯は正常な歯並びに悪影響を与えるので、歯医者としては抜歯をおススメします。
が、私自身のこの過剰歯は鼻腔内に萌出しているわけではなく、歯並びにも異常はないので、抜歯の必要性はないと診断し、このままこの過剰歯を残してたまま過ごします。