とても多い質問に、他院で「奥歯を抜いてインプラントを入れる治療をすすめられたがどう思いますか?」というものです。
(歯医者として責任を持ってお答えするためには、実際に診察させていただかなければ回答は難しいということを知っておいてください。電話での対応はしておりません。)
インプラントはよく噛める
インプラントは、なくなってしまった歯を人工歯根を入れてかめるようにする治療法です。顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込みます。チタンは生体親和性に優れているので安心して埋入できます。
インプラントは、隣の歯を削らずにすみ、かみ合わせを回復できるところが最大のメリットです。
なくなった歯を回復する方法としては、ブリッジや入れ歯があります。ブリッジは、両隣の歯をかなり削らなければならないのがデメリットです。入れ歯は、両隣の歯を少し削る必要があることと、取り外しの手間がかかり、そして異物感があるのがデメリットです。
インプラントのデメリットは、人工歯根を骨の中に埋める手術が必要であること、治療期間が長くなること、また、自費治療になるので費用が高額になることが挙げられます。そして、インプラント歯周炎になる可能性もあります。
全身疾患やかみ合わせの異常はありませんか?
インプラントを埋入するためには、お身体の具合も関係してきますので、骨粗しょう症や糖尿病などしっかりコントロールされた状態で行ってください。また、全身疾患がある方は、リスクについてもしっかり話を聞いておきましょう。
また、反対咬合や開咬といった異常咬合はありませんか?かみ合わせの異常もインプラントの脱落の原因となりうるので、リスクについて話を聞いておいてください。
一度インプラントを入れたら、亡くなるまでその歯医者さんに通ってほしい
一度インプラントにしたら、亡くなるまでその歯医者さんに定期的な通院が必要になると思ってもらっていた方が良いです。口腔ケアがうまくいっているかの確認等を含めて、長期的に(少なくとも5年以上)通院できる状態の方がインプラント治療を受けてもらいたいと思っています。
したがって、「インプラントを入れたらそれでおしまい」となるような歯科医院では行わない方が良いでしょう。
迷ったら色々な歯医者さんでよく話を聞いて
どの治療にもメリット・デメリットがあります。
インプラントの他にもブリッジや入れ歯の選択肢もありますので、それぞれの治療方法について必ず説明を受けてください。その先生の得意・不得意がありますが、必ず全部の選択肢の話を聞いて選択してくださいね。