6歳臼歯は名前の通り、6歳ごろに萌出しますが、合計で4本生え揃うのが正常です。
たまに、生えてきていない6歳臼歯に気づいていない場合があるので注意が必要です。

萌出遅延には

  1. 粘膜性の萌出遅延
  2. 歯胚性の萌出遅延
  3. その他の萌出遅延

があります。

1.粘膜性の萌出遅延

上顎の前歯(1番2番)といったような、歯に見られることが多く、歯ぐきが硬いことによって歯がなかなかはえてこない状態のことを指します。上顎の前歯の歯ぐきが厚くて硬いと、上の乳歯がぬけて全然大人の歯がはえてこないケースがあります。

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2.歯胚性の萌出遅延

レントゲン写真などから歯の卵が成長していないと判断される場合も指します。6歳臼歯や12歳臼歯などで当てはまることが多いです。

上顎の6歳臼歯の左右差に注目

永久歯は、左右でだいたい同じ時期に生え変わります。口の中で片一方の歯がしっかり生えてきているのに、もう片一方が全く生えていない場合には、開窓術を行い、意図的に萌出させてあげた方が良いと考えています。

萌出遅延に対して開窓術を行った症例

5歳 左右差が見られるがこの時期では処置は何も必要なし
7歳 明らかな左右差が見られる

7歳のお子さんです。術前の写真を撮り忘れているので、石膏模型になりますが、右上の6歳臼歯が萌出遅延となっていました。レントゲン写真からは歯の卵が成長していないと判断し、局所麻酔を行い、開窓術(歯の上に覆いかぶさっている歯ぐきや骨を取り除くこと)を実施しました。すると約8か月後にはこの位置まで萌出してきました。

歯ぐきがなくなるだけでも埋まっていた歯が生えてくることがあります。

7歳の子にとっては局所麻酔は痛くてしんどい治療になりますが、この子の将来のかみ合わせや歯並びにとっては開窓術が必要と判断しました。
適切な時期に適切な処置をしてあげたいと考えています。