小児歯科では、大人の歯(永久歯)が生えそろうまでの、予防や治療を行います。虫歯治療はもちろん、歯磨き指導・食事指導やフッ素塗布も行っています。
乳歯の虫歯でも「そのうち永久歯に生え変わるから」と治療しないでいると、永久歯がガタガタになるといった悪い影響を及ぼすことがありますので、放置せずに治療を受けるようにしてくださいね。

お子様の歯科治療に対する考え方
初めて来院された時は、まずお子様とお話しします
お子様が初めて来院された時は、いきなり治療を始めることはしません。
まずお子様と会話をして(話しができる4歳以上の場合)、歯医者さんに慣れてもらうことが大切だと考えております。
ただし、歯医者さんのチェアー(診療台)の上で、お口をあけてもらう練習はします。初めてであっても、お口の中をみて歯ブラシで掃除をするだけ、ですので、それだけは頑張ってもらうようにしています。

お子様が歯医者さんを恐がるのは、お子様と歯医者さんとで充分にコミュニケーションがとれていないから、あるいは歯が痛くなったときだけ歯医者さんにかかっているから、だと考えています。
または、「ハミガキしないと、歯医者さんで痛いことされるよ」と言われ続けているからだと思っています。当院では可能な限り痛くない治療を行っていますので、まずは、痛くないうちに歯医者さんに来てください。

逆に言えば、お子様が「歯が痛い」と言い出してから歯医者さんに通うのは避けていただきたいと考えています。
⚫︎歯が痛いときの治療について
歯が痛いと感じるときは、虫歯がかなり進行していることが多く、治療が必要です。特に神経まで虫歯が達している場合、歯を削って神経を取り除く処置を行います。このときは麻酔の注射が必要ですが、痛みが強い状態では麻酔が効きにくく、治療中に痛みを感じることもあります。
「歯が痛い」となると、レントゲン・麻酔・歯を削る治療がセットで必要になることが多いのです。
尚、当院では無理矢理タオルや抑制帯等でグルグル巻きにして押さえつけるといった抑制治療はおこなっておりません。あらかじめご了承下さい。
治療器具に慣れてもらう
お子様が歯医者さんをこわがる原因として、ここで寝転がったら「何をされるのか分からない」という心配があります。
お子様に安心して治療を受けてもらえるように、治療で使われる器具を分かりやすく説明し、手に触れてもらいながら「とりあえず大丈夫そう…」ということを知っていただいています。
治療器具に慣れてもらったら、お掃除の開始となります。なるべく怖くない順番になるように配慮しながら、気づいたら歯医者さんで器具を使った掃除ができていた、という成功体験にもっていきたいと考えております。
定期検診のすすめ
問題の早期発見のため、保育園や学校での集団健診だけではなく、半年に1度は定期的に歯科医院に通う習慣をつけましょう。
初期の虫歯は、お母さんであっても気づきにくいものです。
また、なるべく痛くない治療ができるよう心がけております。乳歯がはえてきたら、歯医者さんにかかりましょう。痛くなってから歯を治療しようとすると、どうしても歯を削らなければならなくなります。

小児歯科における当院の特徴
お子様用の診察室やキッズスペースも完備
お子様が怖がらずに検査・治療を受けていただくために待合室やお子様用の診察室にはキッズスペースもあります。




虫歯は感染症です
虫歯は、風邪などのように人から人にうつる「感染症」です。生まれたばかりの赤ちゃんには虫歯の原因となる細菌(ミュータンス菌など)がいないため、虫歯にはなりません。ミュータンス菌が定着するのは歯が萌出した後だと一般的には言われています。
虫歯菌への感染・定着時期を遅らせるだけでも、お子様の虫歯予防を楽にできます。特に、お母さん(母親)からの伝播に関しては、少なくとも2-3歳までは気をつけましょう。
正しい知識があれば、お子様への感染時期を遅らせることが可能です。
虫歯予防のために
乳歯の虫歯予防が大切です
子どもの歯みがき習慣を始めましょう
乳歯が生え始めたら、歯みがきの習慣づけをスタートしましょう。小さい頃から「うがい・手洗い・フロス!」を当たり前にすることが、将来の虫歯予防につながります。

歯みがきは お子様の自分磨き+保護者の仕上げ磨き の2段構えで行ってください。仕上げ磨きは歯が生えたら始め、小学校3~4年生ごろまで続けましょう。(乳歯が数本の時期はガーゼで拭くだけでもOK)
正しい食生活も虫歯予防には欠かせません。実際には、甘いものの取り方が大事です。量は少なくても甘いものがずっと口の中に残っている状態(グミやキャンディーのダラダラ食べ)が一番よくありません。「甘いものはやめようね」ではなく、食べる時間を決めておやつをあげてくださいね。
6歳臼歯(第一大臼歯)に注意!
6歳頃に生える「6歳臼歯」は、大人の歯の中でも特に虫歯になりやすい歯です。その理由は
- 生え始めてから噛み合うまでの時間が長い
- 歯ぐきに覆われている期間がある
- 乳歯の奥に生えるため見えにくく、磨き残しやすい
このため、自浄作用が働きにくく、歯みがきが不十分になりやすいのです。

特に下の6歳臼歯が虫歯になると、治療を繰り返し、将来的に歯を失うリスクが高くなります。さらに奥歯全体の噛み合わせに影響し、他の歯も失いやすくなります。

6歳臼歯を守ることが、将来の歯を守る第一歩です!
【参考記事】
▶︎6歳臼歯の虫歯予防にシーラントを
シーラント処置とは、虫歯になりやすい奥歯の咬合(噛む)面のミゾや前歯の裏側にあるヘコミなどを、物理的に封鎖することで虫歯を予防する処置のことを言います。
お子様の歯に関するよくあるお悩み
あごが小さい子が多い
最近は、虫歯にかかるお子様よりも、歯並びが悪くなるだろうと予想されるお子様の方が多いですね。
乳歯の時期に歯並びがよさそうと思っても、大人の歯(永久歯)では、ガタガタの歯並びになるかもしれません。なぜならば、人間の解剖学では、乳歯の時には、すきっぱなぐらい歯と歯が空いていないと大人の歯ではきれいに並ばないということがわかっているからです。
乳歯にすき間がないと、なんと95%の確立で歯並びが悪くなるとも言われています。子供の時に、ある程度、歯がきれいに並ぶようにしてあげられると親としては気がかりがなくなりますね。
(当院の矯正治療に関しては、コチラ)
お子様が口を怪我したら
お子様が転んだり歯をぶつけたりして、「くちびるを切って血が出ている」「歯がグラグラしている」「歯が折れた」場合は、できるだけ早く歯医者さんを受診しましょう。
症状がすぐによくなった場合は、そのまま経過をみられる保護者の方が多いと思います。
その場合、後日、「歯ぐきから膿のようなものが出てきた」「歯の色が黒くなってきた」等の症状がでる可能性があります。なぜなら、歯を脱臼したり打撲したりすると、その影響で歯の神経が死んでしまうことがあるからです。受傷後はすぐにわからなかった症状が遅れて出現することもあり、長期的に経過をみることをおススメします。
心配なことがありましたら、ご相談下さい。
小1で、前歯がすきっぱだけどいいのかな?

お母さんたちから、「大人の歯がはえてきたけど前歯がスキッパで、異常なんじゃないか」と質問を受けます。結論から言うと、異常ではないので安心してくださいね。
上あごの大人の前歯は、はえ始める時に「正中離開」とよばれる状態ではえてきます。歯医者さんの教科書には、”みにくいあひるの子の時代”なんていう表現もあります。
上の前歯の中切歯と呼ばれる歯は、「ハ」の字型に存在しています。その横の側切歯がはえてくると少しずつ前歯のすき間がうまり、犬歯がはえてくると前歯が正常にならぶと言われています。
したがって、7-8歳のころに見られるすき間はすぐに異常と判断すべきではありません。ただし、埋まっている過剰歯や歯牙腫などのできものがあったり、上唇小帯(上あごからつながるビロビロ)の異常があるとすき間が残る可能性がありますので、気を付けなければいけません。
【参考記事】
▶︎歯のはえかわり、よくある質問・その原因や治療方法
前歯が抜けたが生えてこない、こどもの歯の内側に大人の歯がはえてきた、、、など
小児歯科に関するコラム
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