まわりの子供たちをみていると、「あの子、お口がポカンとあいてるな。あ、出っ歯だ。」と思うことがよくあります。これは、口で呼吸しているあかしですね。人間は、鼻と口のどちらでも呼吸ができるようにできています。通常は鼻で呼吸します。しかし、アデノイドやアレルギー性鼻炎などで鼻が詰まっていると、口呼吸にならざるを得ません。その口呼吸は、実は、歯並びにも悪い影響を与えてしまっています。

鼻呼吸の場合、鼻から空気を取り込む際に、空気の浄化や加湿、温度調整がなされます。しかし、口呼吸を主体とする場合、空気の雑菌等がそのまま肺に入るため、組織が炎症を起こしやすくアレルギー等を発症しやすくなるという報告もあります。

口呼吸

口で呼吸するので、舌が低位になりやすくなります。

「お口がポカンとあいていませんか?」

上の前歯と下の前歯が口の中で正しい状態を保つためには、舌からの圧力と口の周りの筋肉からの圧力がちょうどいいバランスで前歯にかかることが大切です。ところが、口呼吸をする子は、いつもお口がポカンと開いた状態になるため、口を閉じる筋肉がしまりにくくなり、前歯をおさえる力が弱くなります。したがって、前歯には舌からの圧力だけがかかり、上の前歯が出てしまう原因となってしまうのです。

耳鼻科受診やゴム風船を取り入れてみて

したがって、鼻炎で鼻の通りが悪い等で口呼吸となっている子は、まず耳鼻科に受診してください。口を閉じる筋力が弱い子や、口呼吸が習慣化している子は、ゴム風船を膨らましてみたり、「ピロピロ(吹き戻し)」等の遊びを取り入れるトレーニングをしてみてください。

口呼吸から鼻呼吸にかえられるだけでも、でっばだった歯並びがきれいになる場合がありますよ。